睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群について
～ぐっすり眠れていますか？ それ、ただの“いびき”じゃないかもしれません～
「朝起きても疲れが取れない」「昼間の眠気がひどい」といった睡眠に関するご相談が増えています。
その背景にあることが多いのが「睡眠時無呼吸症候群（SAS）」という病気です。
「いびきくらいで病院？」と感じる方もいるかもしれませんが、実は放置すると高血圧や心疾患など命に関わる合併症につながることも。
当院では、自宅でできる簡易検査から治療・定期フォローまで一貫して対応していますので、お仕事帰りや日中お忙しい方も安心してご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群とは？
睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。無呼吸の時間が10秒以上、1時間に5回以上あると診断の対象になります。
ご本人は気づかないことが多いのですが、「いびきが途中で止まる」「日中ぼーっとする」といった症状がヒントになります。
よくある症状チェック
次のような症状があれば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
- 毎朝スッキリ起きられない
- 昼間の強い眠気や集中力の低下
- 起床時の頭痛やだるさ
- 家族から「いびきがひどい」「息が止まっていた」と言われた
- 夜中に何度も目が覚める
これらの症状は、単なる「睡眠不足」ではなく、体が十分に休めていないサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群が引き起こす健康リスク
睡眠中の無呼吸により、酸素が不足すると体に大きなストレスがかかります。
これが繰り返されることで、次のようなリスクが高まります：
- 高血圧
- 心筋梗塞や脳卒中
- 不整脈
- 糖尿病の悪化
- 心不全
特に心臓への負担は見逃せません。
睡眠時無呼吸症候群と心不全の関係
無呼吸により体が酸素不足になると、そのたびに血圧が上がり、心臓の働きが乱れます。
これが一晩に何十回も繰り返されることで、慢性的な負担が心臓にかかり、心不全の原因になることがわかっています。
当院には循環器専門医が在籍しており、睡眠と心臓、両面からの包括的な診療・管理が可能です。
- 心不全のリスク評価
- 動悸や息切れの精査
- 必要に応じた心エコー・採血・心電図などの評価
「最近、階段で息が切れる」「むくみや疲れやすさが気になる」という方も、ぜひご相談ください。
自宅でできる睡眠検査（簡易型PSG）
「入院しないと検査できないの？」と思われる方も多いですが、当院では自宅でできる簡易検査（簡易型PSG）を導入しています。
- 簡易検査の流れ
- 医師の診察
- 検査機器をお渡し（小型の機械を一晩装着）
- ご返却後、当院で解析・評価
- 結果をご説明し、必要に応じた治療をご提案
※必要に応じて、専門機関での精密検査のご紹介も可能です。
- 診断基準と重症度の目安
検査では、「無呼吸・低呼吸指数（AHI）」をもとに睡眠時無呼吸症候群の有無や重症度を判定します。
- AHIとは？
AHI（Apnea Hypopnea Index）とは、1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回起こるかを示す数値です。
この値を基に、以下のように重症度が分類されます。
| AHI | 重症度 |
| 5未満 | 正常 |
| 5≦AHI <10 | 軽症 |
| 10≦AHI <30 | 中等症 |
| 30以上 | 重症 |
- 中等症以上なら治療のご提案を
中等症以上に該当した場合、CPAP療法の導入やマウスピース治療の適応などを丁寧にご案内いたします。
治療方法について
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、症状の程度に応じて以下のような治療をご提案します。
- CPAP療法（持続陽圧呼吸療法）
重症の方に最も推奨される治療です。
鼻に装着したマスクから空気を送り込み、睡眠中の無呼吸を防ぎます。
当院ではCPAPの導入・管理・定期フォローもすべて対応可能です。
- マウスピース
軽症の方には、就寝時に使用するマウスピースも有効です。
歯科連携のもと、適応を見極めてご提案します。
- 生活習慣の改善
体重のコントロール、アルコールの調整、禁煙なども重要な治療のひとつです。
「無理なく続けられる方法」を一緒に考えましょう。
最後に
「ただのいびき」と思っていたことが、実は体に大きな負担をかけていた…。
そんな方を数多く診てきました。
しっかり眠れて、日中も元気に過ごせる毎日を取り戻すために、まずは一度、気軽にご相談ください。
あなたの“ぐっすり”と“心の安心”を応援します。
